人体通信の基準電位の安定化対策

Galvanic Coupling 方式

人体通信の基準電位の安定化対策

電界方式の第1世代 人体通信は、基準電位の取り方が難しく、通信が不安定と言われていますが・・・

→ 電界方式の第1世代 人体通信は、この通信の不安定さが問題視されましたが、人体通信の信号を平衡伝送(差動伝送)することにより、人体通信受信機内で、基準電位(GND電位)を再生する、Galvanic Coupling 方式が提案され、実用化されました。(第2世代 人体通信)


「第1世代 人体通信(電界方式)」の問題点

 第1世代 人体通信(電界方式)は、下図のように、人体通信送信機と人体、大地との間は、C1 と C2、人体通信受信機と人体、大地との間は、C3 と C4 の静電結合による電流の閉回路として、通信信号(高周波信号)が流れています。しかし、人が動くと、この C1 ~ C4 の4つの静電容量は個々に変化します。特に基準電位を大地にて決定する C1 と C4 は、人体と大地の距離が長いため、静電容量の変化が大きく、通信を不安定にしてしまう問題点がありました。


「第2世代 人体通信(Galvanic Coupling 方式)」

 第1世代 人体通信(電界方式)の問題点である基準電位の不安定さを解決する方法として、伝搬させる通信信号を平衡伝送(差動伝送)する Galvanic Coupling 方式が提案されました。これは、平衡伝送(差動伝送)では、送信側、受信側にそれぞれ2枚の電極を設けます。送信機側では、その2枚の電極の1枚には送信信号、もう1枚には電圧の極性が反転した送信信号を引加します。受信機側で2枚の電極で受信した平衡伝送(差動伝送)信号を減算し、通信信号を得ます。また、平衡伝送(差動伝送)の信号を加算しますと、受信機側での基準電位(GND電位)を再生することができます。


Galvanic Coupling 方式 人体通信のメリットは外来雑音に強い。

 Galvanic Coupling 方式では、受信機側で2枚の電極で受信した平衡伝送(差動伝送)信号を減算しますので、通信経路や受信電極に飛び込んでくる雑音を抑圧することができます。


Galvanic Coupling 方式 人体通信のデメリットは伝搬損失が大きい。

 Galvanic Coupling 方式 人体通信は、人体上の伝搬は2つの相反する極性の通信信号を伝搬しますが、この2つの信号が人体上で干渉(クロストーク)するため、通信の伝搬損失が大きくなる欠点があります。しかし、人体通信は通常の無線通信に比べ、元来、伝搬損失が少ない通信方式なので、実用上は深刻な問題にはなりません。

 Galvanic Coupling 方式 人体通信では、送信側、受信側の各々の2枚の電極を可能な限り離し、通信距離をできるだけ短くすることが、クロストークには有利な電極の配置方法になります。


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