人体通信用の電極の設計

従来の無線通信に用いるアンテナに相当

人体通信にはアンテナの代わりに電極を用いる。

 従来の無線通信に用いるアンテナの設計は、遠方界における電界と磁界の振る舞いを考える電磁気学を基礎知識として設計します。アンテナ設計は多くの技術本が出版されています。

 一方、人体通信は「人体の周りだけを通信範囲とする飛ばさない無線通信」で、これを実現するために、アンテナの代わりに電極と呼ばれる金属片を用います。電極の設計にあたり、近傍界(準静電界)における空間の変位電流と大地を流れる導電流による通信パスの閉ループ回路を想定します。

 通信パスの閉ループ回路において、人体から大地に逃げてしまうリーク電流を最小に抑えるため、送信側と受信側の各々のホット電極(対人体の電極の C1 と C3 )とコールド電極(対大地の電極の C2 と C4 )の4つのコンデンサで構成されるブリッジ回路が平衡になる条件(C1 : C3 = C2 : C4)を決めます。まず、どれか1つの電極の大きさを適当に決め、その他の3つの電極の大きさは、平衡条件(C1 : C3 = C2 : C4)から決定します。近傍界の電極の設計は、電磁気学よりは電子回路を基礎知識として設計します。


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