人体通信はたくさんの雑音にさらされていますが・・・
→ 同様な雑音環境下で用いるPLC(電力線通信)と同じように広帯域通信技術で雑音対策ができます。
博士(工学) 根日屋 英之
Dr. NEBIYA Hideyuki, AMPLET
人体通信はたくさんの雑音にさらされていますが・・・
→ 同様な雑音環境下で用いるPLC(電力線通信)と同じように広帯域通信技術で雑音対策ができます。
人体通信は、人体を情報の伝送路として、人体に取り付けた機器や人体周辺の置かれた機器との間で通信を行う。人体通信では、通信に用いる電極の面積に比べ、人体の表面積が大きいので、人体は雑音や他の無線システムからの信号による干渉を受けます。また、人体を伝送路として考えたとき、通信パスと電流還流パスのコモンモード・バランスがずれると、人体が雑音や他の無線通信の信号からの干渉を受けやすくなり、これが通信品質を劣化させる要因となります。この雑音や干渉対策は人体通信における技術課題です。
通信において情報を広い周波数帯域に拡げて伝送すると、雑音や狭帯域干渉に強くなるので、人体通信では、直接拡散によるスペクトラム拡散(SS:spread spectrum)方式が適していると思います。
直接拡散(direct sequence)によるスペクトラム拡散(DS-SS)方式は、拡散符号として自己相関が小さいPN(pseudorandom noise)符号のような拡散符号を用いて、元の信号スペクトラムを広い帯域に拡げて情報を伝送します。装置構成は図に示すようになっており、図中の送・受信双方の拡散符号を発生するPN符号発生器と乗算器を取り除くと、従来用いられている狭帯域通信機器と同じと考えてよいです。送信側では、PN符号をこの狭帯域通信の信号に乗算することにより、広い帯域を有する信号に変換(拡散)し、送信機から送出します。
受信機では、送信側で乗算したPN符号と同じPN符号で同期を取りながら受信機入力信号に乗算することで、送信側から送られた狭帯域の通信状態に戻し(逆拡散)、復調器で情報を再生します。
2017年、人体通信コンソーシアム も設立され、改めて人体通信が注目されています。そこで、2011年6月に刊行されました「人体通信の最新動向と応用展開」が、2017年9月に、お求めやすい価格の 普及版 として再刊行されることになりました。
監修 : 根日屋 英之
出版社名 :シーエムシー出版
ISBNコード : 978-4-7813-1210-1
価格 : 4,400円 (税別)