人体の周波数特性

人体の伝播特性の測定はとても難しい。

 人体通信の送・受信機と測定器(ネットワークアナライザなど)間を同軸ケーブルで接続してしまうと、人体と測定器が同軸ケーブルにより一体化してしまい、人体そのものの伝播特性(S21)は測定できません。人体通信の伝播特性測定では、人体と測定器を電気的に分離することが必要です。

 人体と測定器を電気的に分離して接続する方法として、

① 人体の伝播特性を測定したい周波数(主にHF帯)と異なる周波数(UHF帯など)の無線機を用いて、人体通信の送・受信機と測定器間をワイヤレスで接続する。

② 光/電気信号変換を行い、人体通信の送・受信機と測定器を光ファイバで接続する。

③ 外部に測定器を接続せず、小型で電池駆動の人体通信送信機と電界強度測定機能を有した人体通信受信機で人体の伝播特性を測定する。

・・・ などが考えられます。

電池搭載の小型測定器を用いて測定する。

 現在、人体通信の研究・開発をを行っている企業・大学では、上記③の小型で電池駆動の人体通信の送信機と電界強度測定機能を有した受信機で伝播特性を測定する方法が広く採用されています。

 この小型測定システムのブロック図の一例を右図に示します。


小型測定器による測定結果の例

 人体通信では、アプリケーションに応じた伝播パスモデルを明確にして測定しなければなりません。

 左図に人体の周波数特性の一例を示します。送信機は胸ポケット、受信機は手のひらに載せた、ウェアラブル機器とウェアラブル機器間の人体通信の伝播特性の実測データです。送・受信機共にHOT電極(20mm角)は人体に対向、GND電極(20mm × 40mm)は人体と反対方向に向けています。


小型測定器による測定結果の例

 送信機を机上、受信機も机上に据付とした場合のした人体の周波数特性の一例を右図に示します。送・受信機共にHOT電極(20mm角)は人体に対向、GND電極(20mm × 40mm)は人体と反対方向に向けています。


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