石巻報告記 2019 (その3)
Junko Sumi, Jazz Vocalist

☆ 長面へ

長面 2012

 大川伝承の会では、長面でもガイドしてくださるということです。車で5分の長面、(ながつらと読みます)には小学校に来ていた方の4分の1程度の方がはまなすカフェに来ていました。
 2015年の4月漁師のおかみさんたちが週末祭日のみのカフェを開きました。
 私は、7月入釜谷生活センターで歌った後にこのはまなすカフェにきて焼き牡蠣をたっぷりいただきました。長面浦は周りを広葉樹の山で囲まれ、山からのミネラルも多く一年で牡蠣が育つので春から初夏まで食べることができるのです。今回で三回目、変遷を写真で並べてみます。2012年4月初めて来た時はこのような感じでした。

長面 2014

 500人の内100人以上が亡くなったのです。あまりのショックで大泣きしてしまいました。この後訪れた入釜谷の生活センターでは、とても歌える状態ではありません。お天気もいいしお花見にいきましょうと提案し、近所の桜の下まで皆さんと散歩、どうにか一曲ピアニカと歌い、その後センターに戻って歌いました。

長面の堤防

 そして2015年に訪れた時、この家々は取り壊されていました。沈下してしまったこの地区は海に戻るということです。





三條さん

 そして今回はこうです大きな堤防ができていて向こうは見えません。「こんな立派な堤防を作るのなら住まわせてくれればいいのに!」長面地区の語り部ガイドの三條さんは嘆きます。そうです反対に広がる被害がなかった家々も含め、今もこの地区は夜に居住することができません。漁師さんも昼間だけ通ってきて漁をします。故郷に住めない三條さんは悔しそうです。この三條さんも高校生だった三男を亡くしたお母さんです。
 14時46分に地震が起こり15時10分までラインはつながっていたそうです。「今、逃げてる」が最後のラインだったそうです。早く着いて鮭のホイルむし食べておいてよかった。またまた泣けて、このお話を聞きながらご飯は無理です。
 長面で鮭?と思ったのですが泣きつかれているのでカレイのフライは無理。出てきた小ぶりの鮭は美味!なんと長面から少し出た追波湾(オッパワン)でとれる鮭なのだそうです。すいません食べ物写真が撮れない私。あ写真!と気がつく頃には必ず食べ終わってます。とにかく皆さんも是非いらしてください。週末しかやっていないし、メニューは2種類程度で数にも限りがあります。予約しておいたほうが良いと思います。11月から牡蠣が食べられます。素敵なおかみさんたちの笑顔や美味しい自家野菜も待ってます。『はまなすカフェ』絶対いってください。
 そして大川伝承の会は必ず連絡して行ってください。月一回の定例の会に行けなくても日程が合えばガイドしてくださるようです。松島観光の後、仙石線で足を伸ばし是非石巻へ大川小学校へ、石巻市内も色々ガイドしてもらえるようです。是非お金を落として、かつその目で見てきてください。