澄 淳子 のエピソード (その1)
Junko Sumi, Jazz Vocalist

● シュークリーム伝説

 それは、淳子が幼稚園にもいってないころである。大好きなシュークリームをもう一個食べたいと言い張る彼女に、両親は「おなかをこわしてもいいのね、そんなに食べたきゃ物置きの中で食べなさい!」と一喝。いつもお仕置きで閉じ込められる。真っ暗な物置きに淳子は、ハーイとシュークリームを持って入っていきました。しばらくしても泣き声も物音もしないので心配になった両親がそっとドアを開けると、シュークリームを食べ終わった淳子がニッコリ。その無邪気な笑顔に両親は怒る気もなくしてしまった。…これは、あたしの父が教えてくれた話です。父いわく「おまえは、ブランコを大きく漕ぐと泣き出す恐がりの癖にどうも欲しいものがあると恐さを忘れてしまうようだ。NYで勉強してくると言い出して、それも実はハーレムに住んでいたと後で聞いて、このシュークリームの一件を思い出した。」そうなのです。どうも歯を食いしばって苦難を乗り切るというより、欲しい物、シュークリームを食べるうれしさにまわりの暗さや恐さが見えなくなってしまうようです。なんてオキラクで得な性質でしょう。(またそのうちオバカエピソード紹介してみます。)