澄 淳子 のエピソード (その2)
Junko Sumi, Jazz Vocalist

● 澄淳子の由来

 「『澄淳子』は、本名ですか?」よく聞かれます。「母の戒名から取った源氏名です。」そう答えるとたいがい冗談だとおもわれるのですが…本名は、ななんと加藤淳子。NYから戻ってきて、父にいいました。「嫁にも行きそうにないから、名前かえよかな。」母は、月が冴えている11月の晩に生まれたそうで、冴子といいました。(本当はさんずいなのですが…)。その名から妙に澄む、『妙澄』という戒名ができたのです。

 あたしが0からジャズを始めたのは、その母のなくなる数カ月前でした。50才にして癌が全身に回ってしまった母の病室と大学を行き来する電車の中でジャズヴォーカル教室の看板を見つけ、これだ!と思ったわけです。友人達の影響でそれまでジャズは聴いていたのですが、夜中ラジオから流れるギタートリオの演奏をイアホンで聴きながら不思議なあたたかなつつまれたのも、母の病室でした。人間は死ななきゃいけない運命といわれますが、母があたしに身をもって教えてくれたのは「人間は、生きてる内は最後まで生きなさい」ということのような気がします。 オイオイコリャマジダゼ! まあ、てなわけでシブトイシブトイ澄淳子ができあがったわけです。 死ぬまで生きてやる!