アンプレット通信研究所

  所長 博士(工学)

 根日屋 英之

私が無線通信が好きになった理由

 私は、子供の頃に見たアメリカの TV ドラマ 「SOS Gilligan's Island」の中で、小さな船が漂流したときに、乗組員(主人公の Gilligan 君)が電子機器を無線機に改造し「SOS」を出すシーンがあり、とても刺激を受けました。生まれも育ちも東京・秋葉原の私は、そのすばらしい電気街でラジオのキットを購入して組み立てることが、小学生の頃の楽しみでした。中学生になり、実際に電波を飛ばしてみたくなり、アマチュア無線 の資格を取りました。この頃からは、キットを卒業し、自ら試行錯誤で設計したアンテナや電子回路を製作するようになりました。それらが動作する度に、アメリカの TV ドラマの主人公 Gilligan 君に一歩、近づいたと嬉しい気持ちになりました。

 1980年に大学を卒業して子供の頃から憧れていた 自動車会社 に入社でき、電装機器の設計部門に配属されましたが、その後、自動車会社の設計・開発部門が相模原に移転(左の写真は、その移転先がまだ更地の頃に、社員がピクニックをしたときに撮影した)し、通勤ができなくなってしまったため、この自動車会社と同じグループの 電機メーカー に転職しました。ここでは、元の自動車会社のための仕事を、大好きな無線分野でできること(私がお世話になった会社への恩返しができる)が転職の大きな理由でした。転職後には、実際に、自動車会社向けの仕事もできました。

 大企業に属していたときに、上司から指示された業務を確実にやり遂げるという仕事も楽しかったのですが、誰もやったことがないような無線通信機器を自分のエンジニアとしての気持ちに素直に従って、小回りの効く環境で開発したいという気持ちも強く、1987年9月9日に、他者からの資本導入を受けず、無借金経営をポリシーとした 株式会社アンプレット を起業しました。この新会社で最初に受注した仕事は、起業前にお世話になった 電機メーカー からでした。

 現在も私の仕事の主なフィールドは、自動車関連と無線関連です。また、最近、興味を持ち出したのは人体の不思議です。人の体から出てくる微弱な電気信号から、どんな情報が得られるのだろうかと、無線に用いる受信機の開発で培った微弱信号の抽出ノウハウで試作した装置を用い、研究をしています。

受 賞 歴

 1986年度 技術者表彰 1等 (日立湘南電子)

 2000年度 駿博会奨励賞 (日本大学 駿博会)

 2001年度 電子工学科特別賞 (日本大学 理工学部 電子工学科)

 2003年度 アントレプレナー オブ ザ イヤー (アカデミア部門)

 2003年度 最優秀ユビキタスネットワーク技術開発賞 (EC研究会)

 2010年度 第23回 福田賞 (東京電機大学 ME会)

アジア諸国との技術連携

 無線通信技術というと欧米の規格が強い。そこで、アジアがもっとがんばれないかと、アジア諸国との技術連携を大切に考えるようになりました。

 私は、アンテナRFID と 人体近傍の無線通信(人体通信)に興味を持っています。現在、アンプレット通信研究所は、人体通信 の研究を行い国際標準の策定を行っている 韓国電子通信研究院(ETRI)、小形アンテナの研究で著名な 忠南国立大学アンテナ研究室 禹鍾明教授)と MoU を締結し、人体通信小形アンテナRFID無線通信デバイス などの共同研究を行っています。

今、はまっている研究テーマ (人体が出す微弱な電気信号からきっと何かがわかる・・・はず)

 アンプレット通信研究所の技術者は、無線通信機器の設計を行ってきました。そのため、雑音の中から非常に微弱な信号を受信する回路設計や信号処理のノウハウがあるので、人体が出す微弱な電気信号をピックアップし、その信号から何かの生体情報が得られないかの研究を行っています。

 右に示す写真は、試作した非接触電極心電計イスです。電極には導電性の布を用いています。人体の基準電位検出用と、心臓を挟んで左・右の人体近傍の電界をピック・アップするための合計3枚の電極を用いています。この構成で、服の上から心電図を得ることができました。

 左図は、非接触電極心電計イスで得られた心電図です。好奇心から、この装置を用い自分の体のいろいろなところに電極を付けてみると、人体から出てくる不思議な電気信号が見えます。人体は未知の世界で、とても興味深いです。

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