RFIDは電波の反射を利用したレーダ技術

 RFIDは、搬送波の局部発振器は有しておらず、質問器から送出される搬送波を、RFID内のメモリに書き込まれた情報で変調し、その信号を質問器に対して反射することにより情報を伝送します。この目的を達成する変調の原理を図に示します。アンテナから入力された搬送波は、アンテナと伝送線路と終端に取り付けられた負荷が、等しいインピーダンスであれば、反射が起こりません。しかし、伝送線路の終端を開放すると同相で、また短絡すると逆相で、終端で搬送波は全反射を起こします。このインピーダンスの不整合を利用した、位相の異なる反射特性に着目すると、そこで変調して情報を送れることがわかります。


RFIDの位相変調(PSK)

 伝送線路のアンテナとは反対側の端に、RFID内のメモリに記憶された情報に応じて短絡/開放となるスイッチを設けることにより、搬送波は伝送線路端で位相変調(PSK : phase shift keying)回路が構成できます。


RFIDの振幅変調(ASK)

 スイッチが開放の状態のときに、アンテナのインピーダンスと等しい終端負荷を付けると反射が起こらないので、この原理で、振幅変調(ASK : amplitude shift keeing)も実現できます。


エンハンスメント型FETを用いた高周波スイッチ

 実際のRFIDは、その回路上では伝送線路の長さはほとんどなく、アンテナとその給電点にスイッチを設けただけと考えます。高周波スイッチは、簡単なFET回路で実現します。


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