無線通信の技術コンサルティングを業務としているアンプレット通信研究所において、もっとも業務の引き合いが多いのはアンテナに関する技術コンサルティングや教育業務です。
この状況に合わせ、2024年秋に、千葉県いすみ市のアンプレットいすみ研究所内に ACL アンテナ研究室を開設しました。企業というよりも大学の研究室に近い活動をしています。ACL アンテナ研究室 室長は、アンプレットいすみ研究所 所長代理の Dr. BOO Jr. (写真右)が兼務しています。
学生、社会人問わず、アンテナに興味がある人が集い、アンテナ技術の情報交換を行っています。
ACL アンテナ研究室 室長代理の 根日屋英之 です。いつも多忙な室長 Dr. Boo Jr. の代理として、アンテナに関する研究、開発。実験の取りまとめをしています。私は若い世代の人たちに無線通信を通じ、科学の面白さを知っていただきたいと望んでいます。
私は世界的に有名な電気街である 東京・秋葉原 で生まれ育ちました。小学生の頃から電子工作に興味を持ち、「ラジオの製作」や「初歩のラジオ」の実態配線図を見ながら、オーディオ・アンプやラジオを作っていました。しかし、独力で設計できる技術も知識もありません。そこで、両親は私に研究用のおもちゃのトランシーバーを買い与えました。私はそれらを分解して中を調査し、動作するトランシーバーを何台も動かないトランシーバーにしてしまいましたが、百聞は一見にしかずで多くの電子回路の知識を体得することができました。
私は、1波長ループアンテナと同等な指向性を有し、同軸給電線との整合が容易、かつ、小形(小型と同義)にしても利得低下の少ない特長を有する スパイラルリングアンテナ を考案しました。
スパイラルリングアンテナは、スパイラルの直径 2s = 0.024波長、ピッチ角Φを 17.0 度に設定し、そのスパイラルを 半径 a = 0.0754 波長で 21 回巻くと、インピーダンス整合回路やバラン無しで 50Ω同軸ケーブルと直接、接続できます。このときのアンテナの最大外径寸法は 0.176 波長と小形になります。アンテナ利得は 2.0 dBi、帯域幅は 4.2 %(リターンロス : -10dB 以下)であり、スパイラルリングアンテナは小形化率に対して非情に高い利得を有するアンテナです。