人体近傍の電界を利用する

電気により目に見えない力が働いている場所を「電界」と呼びます。

 電気には正負の電荷があり、同じ極性の電荷では反発し、異なる極性の電荷は引き合います。このとき目に見えない力が発生しています。この力が及んでいる場を、「電界」、または「電場」と呼びます。

 みなさんは子供の頃に、プラスティックの下敷きを脇に挟み、そこでこすると、静電気を発生させて遊んだことはありませんか?

 この静電気が帯電した下敷きを頭の上にかざすと、髪が逆立ちますね。これも空間に、目に見えない引っ張る力「電界」が発生しているから、起こる現象なのです。

人体近傍の電界を使って情報通信ができないか?

 この下敷き遊びをしている人と、その横にいる人とで、『髪が逆立っているときを「1」、髪が通常の寝ている状態を「0」という情報にしよう』というルールを作ったとします。横にいる人が、この下敷き遊びをしている人の髪の状態を見ることにより、その人が情報の「1」を送っているのか「0」を送っているのかの判断ができます。インディアンの狼煙(のろし)に似た通信ですね。

 この「1」か「0」の情報により、静電気が帯びているか否かの情況を電子回路で実現した「下敷き」に相当する送信機を作れば、情報通信を行うことができます。これが電界型の人体通信です。

人の周りの電界を通信に利用する。

人体通信のメカニズム

① 下敷きを人体通信送信機に見立て、ディジタル情報(「1」、「0」)を送ることを考えてみましょう。 「1」 を送りたいときに、人体通信送信機の電極に静電気を蓄えます、また、「0」 を送りたいときに、人体通信送信機の電極に溜まった静電気を消します。

② 電界は人の体の周りにまとわりつくように存在しています。

③ 人体上で、人体通信送信機を設置した場所から、離れた人体上の別のところに人体通信受信機(実は電界強度計)を置き、その地点での電界強度の変化を測定します。

④ 人体通信送信機から「1」を送信したときは、「受信機で測定する電界強度は強い」。

⑤ 人体通信送信機から「0」を送信したときは、「受信機で測定する電界強度は弱い」。

⑥ この人体通信受信機での電界強度の強・弱を、「1」と「0」に紐付けし、情報を再生することができますので、ここに「通信」が確立します。


人体通信受信機を用いて、生体情報が得られるか?

 人体の周りに存在する電界の中には、人体の中で発生する電位・・・筋肉が伸び縮みすると、人体周辺の電界を変化させます。しかし、その電界の変化量は、非常に微弱です。

 心臓にイオン電流が流れると、心臓は収縮しますが、それにより変化する人体近傍の電界強度を人体通信受信機でピックアップすると、心電図が得られます。

 イスやトイレに心臓を挟んで二つの電極を埋め込むと、心臓の動きを読み取ることができ、ストレスの計測や健康管理をすることができます。

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