手のひらで電界強度を測ろう

手首につけた手のひら電界強度計

手のひらが受ける電界の強さを測定する

 人の手のひらが受ける電界の強さを測定する装置を試作しました。手のひらをいろいろな物の上にかざすと、その物と手のひらの間に発生している電界の強さを、dBμV/m の単位で表示します。


 空間に手をおくと、その空間の電界強度を測定します。広帯域(数十kHz~200MHz)のエネルギーの積算値なので、私の研究室内で、けっこうな強さの電界強度(0.15dBμV/m)が測定されました。


 人体通信の送信機の上に手をかざすと、測定器に表示される電界強度の値は、かなり大きく(0.79dBμV/m)になりました。測定器も、設計通り動作しています。

人体の電界の強さを可視化する

 上記の測定器を用いて、測定者の手のひらを被測定者の人体にかざすと、被測定者の人体の各部位の電界の強さを測定できます。ここで、測定の精度を高めるために、被測定者の足首に静電気の発生回路を取り付けると、空間の静電気(雑音)と被測定者の静電気を区分けしやすくなります。

人体のどの部位の電界が強いかを探す実験

 人体通信では、人体上の伝搬損失が少ない経路(パス)は、どことどこの間かを知りたくなります。無線通信で伝搬特性(S21)を測定するときには、ネットワークアナライザが用いられますが、人体通信の場合は、ネットワークアナライザで通信のリターンパスが短絡してしまうため、この測定系を用いることができません。 では、どのように測定すればよいのでしょうか?

 人体通信での通信パスの伝搬損失の測定は、実際に被測定者の体に送信機を取り付け、測定者は被測定者の体の部位に手をかざし、測定者の手のひらが受ける電界強度を測定することにより、人体通信パスの伝搬損失を測定することができます。

 電界を測定するときの注意点として、被測定者の人体と測定者の手のひらは非接触 であることに注意しなければなりません。両者の距離をできるだけ短くすることにより、空間の外来雑音の影響は少なくなります。

電界強度の特徴

静電気は人体のどこにたくさん溜まる?

 人体は誘電体で、人体に溜まる電荷(帯電する静電気)は、正電荷(+)と負電荷(-)に分極し、各々の電荷はそのほとんどが、人体から突起した先っぽ(とんがった部分) に溜まります。そのため、冬の乾燥した季節に、人の指先(人体の先っぽのとんがった部分は、静電気が溜まりやすい)からドアノブに向かって、静電気が放電した経験をされた方は多いでしょう。

 同じ数の電荷は、「面」に帯電させるよりも「点」に帯電させる方が、電界強度は強くなります。人体近傍の電界を利用したいろいろなアプリケーションを検討されるときの参考にしてください。

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