子供の頃からアンテナが好き

 生まれも育ちも東京・秋葉原の私は、お小遣いをもらえば秋葉原に真空管を買いに行く、ちょっと変わった子供でした。今でいう「オタク」だったと思います。小学生の頃の愛読書は、「ラジオの製作」と「初歩のラジオ」で、記事の実態配線図を基に、多くの受信機を自作しました。


 中学生になり、アマチュア無線技士の免許を取り、1971年5月17日に、JE1BQE を東京都台東区で開局しました。その頃から、自宅の近所の 天野アルミニウム株式会社(国鉄の秋葉原駅と御徒町(おかちまち)駅の間の、自宅から歩いて10分ほどで行ける場所にお店がありました)で、定尺4mのアルミパイプを購入し、アンテナの自作を始めました。


 当時としては海外の無線雑誌で紹介される珍しいアンテナを自作して電波を出していましたが、それが話題となり、アマチュア無線雑誌「ハムライフ」の 1972年5月号 のグラビア「今、話題のハム」(私が高校1年生のとき)で紹介されました。この記事が出てから、私が電波を出せば日本全国の大勢のアマチュア無線家(ハム)から呼んでいただき(Pile up を受け)、ますます、無線が好きになりました。


 1972年から、無線雑誌の記事を書くようになり、あれから半世紀の間に、多くの著書や雑誌への執筆記事を書きました。

学位論文(工学博士)となったスパイラルリングアンテナ

 1波長ループアンテナと同等な指向性を有し、同軸給電線との整合が容易、かつ、小形(小型と同義)にしても利得低下の少ない特長を有する スパイラルリングアンテナ を考案しました。


 スパイラルリングアンテナは、スパイラルの直径 2s = 0.024波長、ピッチ角Φを 17.0 度に設定し、そのスパイラルを 半径 a = 0.0754 波長で 21 回巻くと、インピーダンス整合回路やバラン無しで 50Ω同軸ケーブルと直接、接続できます。このときのアンテナの最大外径寸法は 0.1748 波長と小形になります。アンテナ利得は 2.0 dBi、帯域幅は 4.2 %(リターンロス : -10dB 以下)であり、スパイラルリングアンテナは小形化率に対して非情に高い利得を有するアンテナです。


[参考論文] 根日屋 英之、長谷部 望、長澤 総 「スパイラルリングアンテナ(1波長ループアンテナの指向性を保持して)」、1999年1月 電子情報通信学会論文誌 Vol.J82-B No.1、pp.88 ~ 96